特定口座で含み益が増えてくると、「いったん売却して、新NISAで買い直した方がいいのでは?」と気になりませんか。
私も、特定口座で保有している投資信託を売るか、そのまま持ち続けるか迷っています。
そこで今回は、2025年末に特定口座の投資信託を売却し、2026年の新NISAで同じ商品を買い直していたら、6月末にどうなっていたのかを実際の保有データで計算しました。
先に結論を書くと、画面に表示される評価額は特定口座のまま保有した方が約21万円多くなりました。しかし、6月末に売却した後の手取りで比べると、新NISAへ買い直したケースが約3万円多い結果です。
資産全体の上期実績は「【2026年上期】投資実績を公開|入金約82万円・運用損益約64万円」でまとめています。
この記事でわかること
- 特定口座を年末に売却した場合の税金
- 税引後に新NISAへ移せた金額
- 特定口座で保有を続けた場合との半年後の差
- 画面上の評価額と、売却後に使える金額が違う理由
- 買い直す前に確認したいNISA枠と注意点
結論:税引後で比べると新NISAが約3万円多かった
NISA対象の投資信託3本を比較した結果は、次のとおりです。
| 比較ケース | 6月末評価額 | 売却時の税金 | 税引後金額 |
|---|---|---|---|
| 特定口座で保有を継続 | 約232万円 | 約24万円 | 約208万円 |
| 年末に売却し、新NISAで買い直し | 約211万円 | 0円 | 約211万円 |
| 差額 | - | - | 新NISAが約3万円多い |

特定口座の画面上では約232万円、新NISAへ買い直した想定では約211万円です。表示上は、特定口座の方が約21万円多く見えます。
ただし、特定口座の約232万円には、まだ支払っていない売却時の税金が含まれています。6月末にすべて売却したと仮定すると、税金は約24万円で、手元に残るのは約208万円です。
同じ基準で比較すると、新NISAへ買い直したケースの約211万円が、約3万円多くなりました。
今回のシミュレーション条件
- 2025年12月30日の報告書に記載された評価額で売却
- 売却益に対して20.315%の税金を差し引く
- 税引後の金額で、同じ商品を同じ価格で新NISAへ買い直す
- 2026年6月末まで、実際と同じ割合で値上がりしたものとして計算
- 売却や買い直しに伴う価格変動、受渡日のずれ、ポイントなどは考慮しない
- 損益通算や税額計算時の端数処理は考慮しない
実際の取引では、投資信託の売却と買付を同じ価格で行うことはできません。そのため、今回は税金による差を見やすくするためのシミュレーションです。
また、証券会社の運用損益欄にある買付金額を使った概算であり、実際に売却した際の税額とは差が出る場合があります。
比較した特定口座の投資信託は3本
2025年末に特定口座で保有していた投資信託のうち、新NISAで買い直せる3本を対象にしました。
| 投資信託 | 取得額 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 約13万円 | 約24万円 | 約27万円 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 約20万円 | 約35万円 | 約40万円 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 約83万円 | 約147万円 | 約165万円 |
| 合計 | 約115万円 | 約206万円 | 約232万円 |
2026年上期は、この3本を特定口座で追加購入していません。約206万円から約232万円への増加は、保有商品の値上がりによるものです。
特定口座ではiFreeレバレッジ NASDAQ100も保有していますが、この商品は新NISAの対象外です。そのため、同じ商品を新NISAで買い直す今回の比較には含めていません。
年末に売却すると約18万円の税金がかかる
3本の2025年末時点の評価額は約206万円、取得額は約115万円でした。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2025年末の評価額 | 約206万円 |
| 取得額 | 約115万円 |
| 含み益 | 約91万円 |
| 売却時の税金 | 約18万円 |
| 新NISAへ再投資できる金額 | 約187万円 |
含み益約91万円に20.315%を掛けると、税金は約18万円です。
つまり、約206万円分を売却しても、その全額を新NISAへ移せるわけではありません。税金を差し引いた約187万円で買い直すことになります。
ここが、半年後の画面上の評価額に約21万円の差がついた主な理由です。新NISAへ買い直したケースは、最初から保有口数が少なくなります。
参考:国税庁「特定口座制度」

半年後は評価額約211万円、税引後では約3万円上回った
税引後の約187万円を新NISAへ移し、各商品が実際と同じ割合で値上がりしたと仮定すると、2026年6月末の評価額は約211万円になりました。
一方、実際に特定口座で保有を続けた3本の評価額は約232万円です。
この数字だけを見ると、売らずに持っていた方が約21万円多く、買い直さない方がよかったように見えます。
しかし、特定口座の約232万円を6月末に売却すると、約24万円の税金がかかる想定です。税引後は約208万円となり、新NISAの約211万円より約3万円少なくなります。
今回の半年間で新NISA側が有利になったのは、買い直した後に増えた利益へ税金がかからないためです。
ただし、年末に約18万円の税金を先に支払い、投資できる元本を減らしています。半年間の差は約3万円なので、「新NISAなら必ず大幅に得をする」と言える結果ではありませんでした。
成長投資枠にはぎりぎり収まる計算
金融庁によると、新NISAの成長投資枠は年間240万円です。
今回の想定では、特定口座から買い直す金額が約187万円。2026年上期に実際に使った成長投資枠は約48万円でした。
| 成長投資枠の使い道 | 金額 |
|---|---|
| 特定口座からの買い直し | 約187万円 |
| 上期に実際に買い付けた分 | 約48万円 |
| 合計 | 約235万円 |
| 年間240万円までの残り | 約5万円 |
結果として、6月末までの買付分を含めても年間240万円の枠内には収まります。ただし、残りは約5万円しかありません。
特定口座の商品を新NISAへ移すために枠を使うと、その年に予定していた個別株や投資信託を買えなくなる可能性があります。税金だけでなく、限られたNISA枠を何に使うかも考える必要があります。
参考:金融庁「NISAを知る」
特定口座から買い直す前に考えたいこと
今回の計算では新NISAが約3万円多くなりましたが、実際に買い直す場合は次の点にも注意が必要です。
売却した時点で税金が確定する
特定口座のまま保有していれば、売却するまで税金の支払いを先送りできます。新NISAへ移すには、いったん含み益を確定し、税金を支払わなければなりません。
売却と買付の間に価格が動く
投資信託は、売却代金を受け取るまでに時間がかかります。その間に価格が上がれば、想定より少ない口数しか買い直せません。反対に、価格が下がる場合もあります。
NISA枠を使う機会費用がある
買い直しに成長投資枠の大半を使うと、新しい資金で別の商品を買う余地が少なくなります。すでに年間の投資予定がある場合は、合計額の確認が必要です。
NISAの損失は損益通算できない
新NISAで損失が出ても、特定口座や一般口座の利益と相殺できません。非課税というメリットだけでなく、損失が出た場合の扱いも異なります。
私はまだ売却するか迷っている
実際には、2025年末に特定口座の投資信託を売却せず、そのまま保有しました。
今回の条件では、新NISAへ買い直した方が半年後の税引後金額は約3万円多くなりました。一方で、年末に約18万円の税金を支払い、成長投資枠をほぼ使い切る計算です。
差額だけを見れば新NISAが有利ですが、売却と買付のタイミングや、今後NISA枠で買いたい商品も関係します。
そのため、今回の結果だけですぐに全額を売却するのではなく、特定口座をどうするかは引き続き考える予定です。
まとめ
2025年末に特定口座の投資信託3本を売却すると、評価額約206万円に対して税金は約18万円。新NISAへ再投資できる金額は約187万円になる想定です。
その約187万円を同じ商品へ投資していた場合、2026年6月末の評価額は約211万円になりました。
実際に特定口座で保有を続けた評価額は約232万円ですが、6月末に売却した後の手取りは約208万円です。税引後で比べると、新NISAへ買い直したケースが約3万円多い結果となりました。
ただし、実際の結果は売却と買付のタイミング、税額、商品の値動きによって変わります。NISA枠を使うことによる影響もあるため、単純に「すぐ買い直した方が得」とは判断できません。
今回の計算は、私個人の保有商品と実績を使ったシミュレーションです。特定商品の売買を推奨するものではありません。
投資商品は価格が変動し、元本割れする可能性があります。税金の扱いは個人の状況によって異なるため、実際に売却する際は証券会社や税務署、税理士などへご確認ください。
商品のNISA対象区分を確認した公式情報
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 交付目論見書」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のNISA対象区分」
- SBIアセットマネジメント「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 月報」
- 大和アセットマネジメント「iFreeシリーズ」