ポイントは貯まっている。マイルに換えれば価値が上がるとも聞く。それなら全部まとめて移せばいいのか——と考えて、手が止まりました。
この記事は、クレジットカードのポイントが数十万単位で貯まっていて、ANAマイルへ一括で移すべきか決めきれない40代に向けて書いています。
私は以前、ANAアメックス・ゴールドのポイントをANAマイルへ移し、妻の特典航空券として実際に使ったことがあります。マイルが使えることは知っています。そのうえで今回、手持ちを全部マイルへ寄せる判断はしませんでした。
この記事はポイント連載の第5回、最終回です。
結論|全部を先にマイルへ移さない
ANAへ移せる手持ちポイントと既存のANAマイルを、現在の公式レートで換算すると約53万マイル相当でした。ただし、全部を先にマイルへは移しません。
理由は2つです。アメックス ビジネス・ゴールド側には1暦年あたり4万マイルの移行上限があるため一括では移せません。そして移行後の通常マイルには、移した月ごとに36カ月の期限が始まります。
ここが大事なところですが、移さずに置いたアメックスのポイントが3年で消えるわけではありません。だから急ぐ必要がない。旅行の予定と必要マイル数が決まった分だけ移す、というのが私の結論です。
なお、ここでいう「移さなくても残る」は、私が保有するアメックス2種のポイントについて、現在の無期限条件とカード会員資格が続く場合の話です。VポイントやMarriott Bonvoyには別の期限条件があります(Vポイントは最終変動日から1年、Bonvoyは対象アクティビティがない場合24カ月)。
※ 本文に出てくる「60万超」は、ポイント・マイル・ANA SKY コインという異なる単位の数を便宜的に足した数字です。円換算額でも、同じ価値の合計でもありません。約53万マイル相当の試算には、ANAマイルへ戻せないJALマイルとANA SKY コインを含めていません。
「まとめて移せば安心」だと思っていました。移した瞬間に期限が始まると気づいてから、順番が逆だと分かりました
保有残高と、約53万マイル相当の計算範囲
まず自分の状況を出しておきます。残高は丸めて書きます。
- アメックス ビジネス・ゴールド(メンバーシップ・リワード):29万ポイント超
- ANAアメックス・ゴールド(メンバーシップ・リワード):11万ポイント超
- Marriott Bonvoy:11万ポイント超
- Vポイント:10万ポイント超
- ANAマイル:2万マイル超
- ANA SKY コイン:1万コイン(ANAアメックスの年間利用特典)
- JALマイル:6千マイル台
このうちANAマイルへ換算できるのは、上の4種類のポイントと既存のANAマイルだけです。JALマイルとANA SKY コインはANAマイルへ戻せないため、以下の試算には入れていません。

| 元のポイント | 交換レート | マイル換算 |
|---|---|---|
| アメックス ビジネス・ゴールド | 1,000ポイント → 1,000マイル | 約29万マイル |
| ANAアメックス・ゴールド | 1,000ポイント → 1,000マイル | 約11万マイル |
| Vポイント(ANAカード会員) | 5ポイント → 3マイル | 約6万マイル |
| Marriott Bonvoy | 3ポイント → 1マイル + 6万ポイントごとに5,000マイル | 約4万マイル |
| すでに持っているANAマイル | — | 約2.5万マイル |
| 合計 | 約53万マイル相当 |
詳しい条件は、アメックスのカード別交換レートと費用、Vポイントを1ポイント1円で使う出口、Bonvoyを宿泊に残す判断にまとめています。
アメックスの年4万マイル上限は何を制限するか
いちばん大きい残高は、アメックス ビジネス・ゴールドの29万ポイント超です。ここからANAマイルへは1対1で移せますが、条件が2つあります。
- 移行には年8,800円(メンバーシップ・リワード・プラス 3,300円+メンバーシップ・リワード ANAコース 5,500円、いずれも税込/アメックス公式「マイルへ移行する」)
- ANAマイルへの移行は1暦年あたり4万マイルまで(同上)
ここで誤解しやすいのが、この上限が制限しているのは「1暦年にANAへ移せる量」だけだという点です。現在、無期限になっている私のビジネス・ゴールドのポイントが、未移行という理由だけで3年後に失われるわけではありません。翌年になれば、また4万マイル分の枠が使えます。
なおANAアメックス・ゴールドのほうは、追加費用なし・年間上限なしで1対1で移せます(アメックス公式「マイルへ移行する」)。同じアメックスでも扱いがまったく違うので、混同しないようにしてください。
移行した月ごとにANAマイルの36カ月期限が始まる
もう1つが期限です。ANAの通常マイルは、積算した月から36カ月後の月末で失効します(ANAマイレージクラブ会員規約)。
ANAアメックス・ゴールドのポイントはもともと無期限です。ところがマイルに移した瞬間、無期限だったものに3年の期限が付きます。しかも期限は移行月ごとに個別に始まるので、複数年に分けて移せば、期限も順番に来ます。

上限と期限は、別々の話です。上限は「1年に移せる量」、期限は「移したあとの持ち時間」。混ぜて考えると、早く移さないと損をするような気がしてきます。実際は逆で、予定より先に移すほうがリスクを増やします
何年で移せるかを、移行日と利用日の例で確認する
上限が暦年単位なので、「何年かかるか」はいつ移し始めるかで変わります。仮の日程を1つ置いてみます。
| 移行月 | 移行量(ビジネス・ゴールド) | そのマイルの期限 | 利用予定 |
|---|---|---|---|
| 2026年12月 | 4万マイル | 2029年12月末 | 2027年夏に使う |
| 2027年1月 | 4万マイル | 2030年1月末 | 2028年に使う |
| 2028年1月 | 4万マイル | 2031年1月末 | 2029年に使う |
| 2029年1月 | 4万マイル | 2032年1月末 | 2030年に使う |
12月と翌1月をまたぐように移せば、最初の移行分の期限内に複数年の枠を入れられます。逆に年の途中から始めれば、入る枠は少なくなります。「何年で全部移せるか」は一律の数字にはなりません。
大事なのは年数ではなく、それぞれの移行分を期限内に使い切る予定があるかです。予定のない4万マイルを先に移せば、3年後に失効するリスクを自分で作ることになります。
失効間近のマイルはSKY コインで約1年使える場合がある
マイルの期限が近づいたときの出口として、ANA SKY コインがあります。私も1万コインを持っています(ANAアメックス・ゴールドの年間利用特典で受け取ったものです)。
SKY コインはいつ交換するかで意味が変わります。
- 有効期限がまだ長いマイルをすぐ交換すると、SKY コインの期限は交換月から12カ月後の末日になるため、残っていた時間を短くしてしまう場合があります
- 失効が近いマイルを交換するなら、そこから約1年の利用期間を確保できます。ANA公式も「マイルが失効してしまう」ケースの活用例として案内しています
交換率は会員ステイタスとANAカードの種類で変わります。ANAゴールドカードを持っている場合はこうなります。
| 交換マイル数 | 交換後のコイン数 |
|---|---|
| 1〜9,999マイル | 同数(1倍) |
| 10,000マイル | 12,000コイン(1.2倍) |
| 20,000マイル | 26,000コイン(1.3倍) |
| 30,000マイル | 42,000コイン(1.4倍) |
| 40,000マイル | 60,000コイン(1.5倍) |
| 50,000〜200,000マイル | 80,000〜320,000コイン(1.6倍) |
ただしSKY コインからマイルへは戻せません。使えるのはANAウェブサイトでの航空券・旅行商品に限られ、有効期限は交換日より12か月後の末日です。繰り返し期限を延ばせる仕組みではありません。
失効が近く、1年以内に対象商品を買う予定がある場合の出口、と考えるのが正確です。
必要マイル数と移行日数を先に調べる
「予定が決まってから移す」を実行するなら、移行にかかる日数を先に知っておく必要があります。
| 移行のしかた | 所要日数 |
|---|---|
| ANAアメックス・ゴールドからANAマイル | 通常5営業日以内 |
| 初めて移行する提携航空会社 | 通常2週間 |
| VポイントからANAマイル(一般向け) | 約2〜3日 |
空席を確認してから移行すると、反映を待つ間に空席が埋まる可能性があります。行き先とクラスだけ先に決めて必要マイル数を調べておけば、日付が決まっていなくても必要量は分かります。そこまでは予定がなくてもできる準備です。
そして移行の申し込みは、変更もキャンセルもできません。多めに移して余らせると、その分がそのまま36カ月の期限を背負います。
必要な分が分かるのは予約画面を開いたあとですよね。それだと間に合わないんじゃ……
だから行き先とクラスを先に決めます。路線とクラスが決まれば必要マイル数は分かる。日付が決まっていなくても、いくら移せばいいかは先に計算できます
2025年6月改定後に必要なマイル数
必要マイル数は2025年6月24日以降の予約・発券分から改定されています。日本発の往復・レギュラーシーズンでは次のとおりです。

改定の対象は地域とクラスで違う
改定はすべてが一律に上がったわけではありません。ANA公式の告知では、対象がこう定められています。
- エコノミー・プレミアムエコノミー:全ゾーン発着のハイシーズン
- ビジネス・ファースト:韓国・ロシア1、アジア1、アジア2、オセアニア発着の全シーズン/ハワイ・北米・欧州発着のハイシーズン
この記事で例に挙げたハワイ・北米・欧州は、ハイシーズンのみが改定対象です。アジア・オセアニアのビジネスは全シーズンが対象なので、渡航先ごとに最新のチャートを確認してください。
ハワイのビジネスでいうと、ハイシーズンは90,000マイルから135,000マイルへ上がりました。ローとレギュラーは据え置きです。長期休暇にしか動けない人ほど、必要マイルが増えた形になります。
JALマイルはどうするか
私はJALマイルも6千マイル台だけ持っています。Marriott BonvoyはJALマイルにも3対1で移行できるので、こちらへ寄せる選択肢もあります。
ただし判断は変わりません。JALマイルの有効期限も、原則として積算から36カ月後の月末です(JAL公式・JMB一般規約)。移した瞬間に期限が始まる構造はANAと同じで、寄せる先を変えても解決しません。使い先が分散するぶん、むしろ扱いにくくなります。
私がポイントごとに選んだ出口
カードごとの扱いはこうしました。
- ビジネス・ゴールドのポイント:年会費への充当を軸にする。年8,800円と1暦年4万マイルの上限がある以上、まとめてマイルにする道は現実的ではない
- ANAアメックス・ゴールドのポイント:無期限のまま置いておく。特典航空券の予定が決まってから、必要な分だけ移す
- Vポイント:カード利用代金への充当。1ポイント=1円が公式に確定している
- Marriott Bonvoy:無料宿泊特典の上乗せ枠として温存。マイル移行はしない
共通しているのは「予定が決まってから動かす」という一点です。ポイントのままなら無期限のものがあり、動かした瞬間に期限が始まる。だったら動かさないほうが、選択肢は多く残ります。
判断の順番はこうです。
- 行き先とクラスを決めて、必要マイル数を調べる。日付は後でいい
- 1ポイント=1円が確定する出口があるかを確認する。あるならそれが比較の基準になる
- 移行の上限・費用・所要日数を見る。上限があるカードは「まとめて」ができない
- 移すのは必要な分だけ。全部寄せる理由はどこにもない
マイルへ移す前に、カードごとの出口を確認する
交換先の条件は、ポイントの種類ごとに違います。動かす残高を決める前に、それぞれの出口を個別に確認してください。
連載の答えはここに出ました。ポイントは貯め方より、出口の設計で決まります。残高を増やすのは簡単です。難しいのは、期限内に使い切れる形にしておくことです
まとめ|予定が決まった分だけ移す
- ANAへ移せる4種類のポイントと既存ANAマイルを公式レートで換算すると約53万マイル相当。JALマイルとANA SKY コインは含まない
- アメックス ビジネス・ゴールドからANAマイルへの移行は1暦年あたり4万マイルが上限で、年8,800円がかかる。移さなかったポイントが消えるわけではない
- ANAの通常マイルは積算月から36カ月後の月末で失効。移した月ごとに期限が始まるので、予定より先に移すと失効リスクを自分で作る
- SKY コインは失効間近のマイルの出口。交換月から12カ月後の末日まで使える。期限が長いマイルをすぐ交換すると逆に短くなる。交換率は交換量により1〜1.6倍(ANAゴールドカード保有時)
- 2025年6月24日以降の予約分から必要マイル数が改定。ハワイ・北米・欧州はハイシーズンのみ、アジア・オセアニアのビジネスは全シーズンが対象
- 私の結論は全部を先には移さない。ANAアメックス側は無期限のまま置き、行き先と必要マイル数が決まった分だけ移す
ポイントを貯めるところまでは、カードを使っていれば自動で進みます。止まるのはいつも出口です。この記事が、自分の残高を「使える形」にするきっかけになればうれしいです。
連載ナビ
- 第1回:7つのポイント残高と有効期限を棚卸しする(3つの物差しを決めた回)
- 第2回:アメックスのメンバーシップ・リワード編(カードごとに出口が違う話)
- 第3回:Vポイント編(1ポイント=1円が確定する出口の話)
- 第4回:Marriott Bonvoy編(泊まる予定がなければ動かさない話)
- 第5回:マイル編(この記事・最終回)
更新履歴
- 公開時:ANA公式「ANA国際線特典航空券 シーズン・必要マイルチャート」「必要マイル数の改定について」「マイルからANA SKY コインに交換する方法」「ANA SKY コインに交換する」、ANAマイレージクラブ会員規約、アメックス公式、三井住友カード公式、Marriott Bonvoy公式FAQ、JAL公式JMB一般規約を2026年9月4日に確認
※本記事は私個人の保有状況と判断の記録であり、同じ結果を保証するものではありません。交換レート・年間上限・費用・有効期限・必要マイル数は各社の改定により変わります。手続きの前に、公式ページとご自身の会員ページで最新の条件をご確認ください。マイル・ホテルポイントには公式の円換算の定義がないため、円に換算していません。ポイント残高は丸めて表記し、カード番号・会員番号は非公開です。特定のカードの申込や利用をすすめるものではありません。