アメックスのポイント(メンバーシップ・リワード、以下MR)が、2枚のカードに分かれて40万ポイント台たまっています。ビジネス・ゴールドが29万台、ANAアメックス・ゴールドが11万台。正直なところ、何に使うかは決めていませんでした。強いて言えばマイルに交換しようか、という程度です。交換先が多く、レート・費用・上限を別々に見ると比較しにくい状態でした。
そこで今回は、公式ページのレートを拾って2枚の条件を同じ表に並べ、カードごとにどの出口を使うかを決めました。その記録です。
この記事はポイント連載の第2回です。7つのポイント残高と有効期限を棚卸しした第1回で決めた3つの物差し(①1ポイントあたり何円分になるか ②交換の手間と時間 ③取り消せるか)を、そのまま使います。
この記事の前提
・交換レートと条件はアメリカン・エキスプレス公式ページの記載に基づきます(2026年8月31日確認)
・マイルやホテルポイントの「1単位=何円」という公式の定義はありません。円換算は本記事の仮定です
・ポイント残高は丸めて表記し、カード番号・会員番号は非公開です
結論|ANA側は必要時にマイル、ビジネス側は年会費充当
結論は、ANAアメックス・ゴールドのMRは特典航空券の予定が決まってから必要分だけANAマイルへ、ビジネス・ゴールドのMRはカード年会費への充当を軸にします。理由は、交換レートだけでなく、年間費用・移行上限・移行後の期限がカードごとに違うからです。
- ANAアメックス・ゴールドは追加費用なしで1,000ポイント→1,000マイル。年間の移行上限もないが、移行後の通常マイルには期限がつく
- ビジネス・ゴールドからANAマイルへは年8,800円(税込)の固定費と年40,000マイルの上限がある
- ビジネス・ゴールドはカード年会費への充当なら1ポイント=1円。円で数えられる出口としては、ここが一番はっきりしている
つまり同じ「アメックスのポイント」でも、カードによって有利な出口が違う。ここを分けないと、払わなくていい固定費を払うことになります。
アメックスのポイント交換先と交換レートを比較
交換先を比べる前に、期限の状況だけ確認しておきます。ANAアメックス・ゴールドは公式のよくある質問で最初から無期限とされているグループです。ビジネス・ゴールドは最長3年のグループですが、年会費への充当でポイントを使っていて、メンバーシップ・リワード・プラスにも登録しているため、会員ページの表示は「ポイントの有効期限はありません」になっています。なお、メンバーシップ・リワード・プラス(年3,300円・税込/以下MRプラス)への登録でも無期限になります。
順番が大切です。「使わないと消える」と「使い道を決める」は別の問題として扱ってください。失効が迫っている方は、比較よりそちらが先です
MR標準カード(ビジネス・ゴールドなど)から移せる先を、公式レートで並べました。MRプラス登録済みのレートで統一しています。

「確定」と書いてある行だけが、公式レートから直接円に直せる数字です。一律で1円なのはカード年会費・月会費への充当で、旅行関連以外の代金への充当は0.5円。「現金に近い形で使う」ほど、1ポイントの価値は0.5円前後に落ちます。
マイルとホテルは、円に直せない
移行レート自体は公式に出ています。ANAマイルは1,000ポイント→1,000マイル、JALマイルは2,500ポイント→1,000マイル、その他の提携航空会社は1,250ポイント→1,000マイル。ホテルはヒルトン・オナーズが1.25倍、Marriott Bonvoyが0.99倍です。
ただしアメックス・ANA・JALのいずれの公式にも「1マイル=何円」という定義はありません。そこでこの記事では1マイル=2円を「本記事の仮定」として置きました。置き方を変えると順位も動きます。
- 1マイル=2円と置くなら:ANAマイルは1ポイント=2円相当。年会費充当の1円を上回る
- 1マイル=1.5円と置くなら:差は0.5円まで縮む
- 1マイル=1円と置くなら:年会費充当と並ぶ。費用をかけてマイルに移す理由はなくなります
マイルの価値は路線・時期・座席で変わるので、「マイルが一番得」とは言い切れません。ホテルポイントも円換算していません。なお、ANAアメックス系の移行先はANAマイルのみで、移行先を選べるのはビジネス・ゴールド側だけです(アメックス公式「ホテルのポイントへ移行」/2026年8月31日確認)。
ビジネス・ゴールドのANA移行は年8,800円・上限4万マイル
ビジネス・ゴールドからANAマイルへ1対1で移すには、年単位の固定費がかかります。
| かかるもの | 金額(税込) |
|---|---|
| メンバーシップ・リワード・プラス 年間参加費 | 3,300円 |
| メンバーシップ・リワード ANAコース 年間参加費 | 5,500円 |
| 合計 | 年8,800円(いずれも2年目以降 自動更新) |
誤解が多いのはここです。MRプラスに登録しても、ANAマイルの年間移行上限は変わりません。上限はどちらも年40,000マイル。変わるのは必要ポイント数だけ(未登録80,000ポイント/登録済み40,000ポイントで40,000マイル)。
集計期間は1月1日〜12月31日、移行は1日1回・1,000ポイント単位。29万ポイントを全部マイルにしようとすると、上限のせいで何年もかかる計算になります。参加費5,500円は移行の有無にかかわらず返金されません(アメックス公式「マイルへ移行」/2026年8月31日確認)。
「MRプラスに入れば上限も緩くなる」と勝手に思ってた。実際は上限は40,000マイルのままで、減るのは必要ポイントだけ。読み違えると、年8,800円だけ払って上限に詰まる
年会費充当とANAマイルの損益分岐
1対1でANAマイルへ移すための年間総費用は8,800円です。ただし、年会費充当を1ポイント1円で使う場合にもMRプラス3,300円は必要です。2つの出口を比べると、ANA移行だけに増える費用はANAコースの5,500円になります。

1マイル=2円と置く場合、年会費充当との差は1ポイントあたり1円なので、損益分岐は5,500ポイントです。1マイル=1.5円なら差は0.5円となり、11,000ポイントで5,500円を回収します。1マイル=1円と置くと差はゼロで、5,500円は回収できません。
上限の40,000ポイントまで移せば上積みは4万円相当(1マイル2円の仮定)。逆に年3,000ポイントなら上積みは3,000円相当で、5,500円の持ち出しです。「年に何ポイント移すか」を先に決めるほうが安全です。なおMRプラスの3,300円をポイントで充当できるかは公式に記載がないため、現金で払う前提で計算しています。
ANAアメックス・ゴールドは追加費用・年間上限なし
同じANAマイルでも、ANAアメックス・ゴールド側は条件がまったく違います。
| 項目 | ビジネス・ゴールド | ANAアメックス・ゴールド |
|---|---|---|
| ANAマイルへの移行 | 1,000pt→1,000マイル(MRプラス登録時) | 1,000pt→1,000マイル |
| 移行のための年間費用 | 年8,800円 | 登録不要・追加費用なし |
| 年間の移行上限 | 40,000マイル | 上限なし(1日999,000ptまで) |
| ポイントの有効期限 | 最長3年(交換または登録で無期限) | 無期限 |
片方は年8,800円と上限つき、もう片方は追加費用なしで上限なし。マイルにするならANAアメックス側からです。
年40,000マイルの上限は、ビジネス・ゴールドなど通常のMRから「メンバーシップ・リワード ANAコース」で移す場合の条件です。ANAアメックス・ゴールドは別の移行体系で、公式には年間上限なしとされています。複数カードを同じログインIDに登録している場合は、移行前に対象カードのアカウントへ切り替えます。実際の会員画面が異なる場合は、申込前にカード裏面の番号へ確認します(アメックス公式「ANAカードのポイント」/2026年8月31日確認)。
ANAアメックスは2026年9月に全面刷新されますが、ゴールドのマイル移行手数料が無料である点と、ポイントが無期限である点は改定後も変わりません。変わるのは貯まり方の側で、年会費が上がり、公共料金・国税などは加算が0.5倍になります。詳しくはANAアメックス改定で変わる特典と年会費にまとめました。
移行後は戻せない|日数とマイルの有効期限
残る物差しは、②手間と時間、③取り消せるかです。
| 移行先 | 所要日数 |
|---|---|
| 提携航空会社のマイル(初めての移行先) | 通常2週間/2回目以降は提携先により異なる |
| ANAアメックス・ゴールドからANAマイル | 通常5営業日以内 |
初めて移行する提携航空会社は事前に会員番号の取得が必要で、移行期間の短縮はできないと明記されています。そして移行の申し込み後は、変更もキャンセルもできません。
もう1つ、移行の前後で変わるのが期限です。ANAアメックス・ゴールドのポイントは無期限ですが、ANAの通常マイルは、利用した月の36カ月後の月末までが原則。マイルへ移した時点で、期限のない状態から期限のある状態に変わります。
ポイントの移行は戻せません。年会費の充当なら1ポイント1円という確定した価値がありますが、マイルに移した瞬間、価値は「期限内に使い切れるか」に変わります。使う予定が決まってから、必要な分だけ。この順番だけは崩さないでください
私の2枚はどう使い分けるか
3つの物差しで並べた結果、決めたのは次の形です。

ANAアメックス・ゴールドの11万台は、ANAマイル用としてカード側に残します。出口はANAマイルですが、移行後の通常マイルには期限があるため、特典航空券の予定が決まってから必要分だけ移します。私は飛行機にほとんど乗らないため、第1回に書いたとおり、これまでも家族の特典航空券に充ててきました。
ビジネス・ゴールドの29万台は、カード年会費への充当(1ポイント=1円)を軸に置きます。ANAコースの5,500円と40,000マイルの上限を踏まえると、このカードをマイル担当にする理由が見つかりませんでした。年会費は49,500円(税込)なので、いまの残高はその数年分です。この充当にはMRプラス(年3,300円)が必要ですが、未登録だと年会費充当も1ポイント0.3円まで落ちるため、ここは払う側に立ちます(アメックス公式「メンバーシップ・リワード・プラス」/2026年8月31日確認)。カードそのものの費用と特典はビジネス・ゴールドを2年使った年会費・特典レビューに書きました。
出口を分けるなら、入口の決済も分けたほうが早いです。どのカードで何を払っているかはアメックス3枚の決済をどう振り分けているかに整理しました。
Marriott Bonvoyへの移行は、いま決めない
MRはMarriott Bonvoyにも移せます(1,000ポイント→990ポイント)。私はMarriott Bonvoy アメックス・プレミアムでプラチナエリート会員資格(12月31日までに合計500万円)を狙って修行中で、達成まで残りおよそ65万円です。
それでも移行は保留にしました。1つはMarriott Bonvoyポイントの円価値を示す公式の定義がないこと。1泊に必要なポイントは施設と時期で動くので、得かどうかを確かめる物差しがありません。もう1つはエリート資格が決済額で決まるため、ポイントを移しても修行は進まないことです。移行は取り消せないので、泊まる予定が決まってから判断します。
これからカードを選ぶなら、レートの前に年会費と年間利用特典を
交換レートだけでなく、年会費と年間利用特典まで合わせて確認してください。実際に使って分かった費用と特典は、次の2記事にまとめています。
移行を決める前に、自分のカードの条件を確かめてください
カードによって移行先・費用・上限・有効期限が違います。年会費のかかるコースは返金されませんし、移行後の取り消しもできません。手続きの前に、公式ページとご自身の会員ページで最新の条件をご確認ください。
アメックスのポイントと同じで、マリオットのポイントも「どこに使うか」で1ポイントの価値が変わります。連載第4回「マリオットアメックスの改定|2026年10月の分かれ目」で、無料宿泊とマイル移行を同じ物差しで比べました。
まとめ
- 公式レートで一律1円なのはカード年会費・月会費への充当(MRプラス登録済み)。トラベル オンライン等は0.8〜1円、現金に近い使い方は0.5円前後
- ANAマイルは1ポイント=1マイルまで伸びるが、1マイルが何円かの公式定義は存在しない。本記事は1マイル=2円を仮定として置いた
- ビジネス・ゴールドの年間総費用は8,800円。年会費充当と比べた追加費用はANAコースの5,500円で、損益分岐は1マイル2円なら5,500ポイント、1.5円なら11,000ポイント、1円なら回収できない
- 上限は年40,000マイル。MRプラスに入っても変わらない
- ANAアメックス・ゴールドは追加費用なし・上限なし・1ポイント1マイル。ただし移行後の通常マイルは36カ月後の月末までなので、使う予定が決まってから必要分だけ移す
連載ナビ
- 第1回:7つのポイント残高と有効期限を棚卸しする(3つの物差しを決めた回)
- 第2回:アメックスのメンバーシップ・リワード編(この記事)
- 第3回:Vポイント編(1ポイント=1円が確定する出口の話)
- 第4回:Marriott Bonvoy編(泊まる予定がなければ動かさない話)
- 第5回:マイル編(ANAマイルへ一括移行しない理由)
更新履歴
- 2026年9月2日:初版公開
この記事について
本記事は私個人の保有状況と判断の記録であり、同じ結果を保証するものではありません。交換レート・参加費・移行上限・有効期限は2026年8月31日時点の公式ページの記載に基づき、改定される場合があります。
マイルやホテルポイントの円換算に公式の定義はなく、本記事の数値は仮定に基づく参考値です。
特定のカードの申込や利用をすすめるものではありません。