2026年8月19日にANAアメリカン・エキスプレス・カードの全面刷新が発表されてから、ネット上で目立つようになったのが「で、結局いつ申し込めばいいのか」という声です。9月1日までに申し込むのと、9月2日以降に申し込むのとで、対象になる特典もキャンペーンも変わります。しかも、変わり方はカードの種類ごとに違います。
先に立場を書いておきます。私はANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードをすでに保有しているので、9月2日から始まる新規入会キャンペーンの対象ではありません。つまりこれは「自分がどちらで申し込むか」という記事ではなく、条件が大きく切り替わる節目に何がどう変わるのかを、公式の情報をもとに並べてみた記事です。
この記事の内容は、2026年8月21日時点で公開されている公式情報にもとづいています。参照したのは、アメリカン・エキスプレスのANAアメリカン・エキスプレス・カード リニューアルページ、同じくアメリカン・エキスプレスのANA SKY コインボーナスのページ、ANAの新規入会キャンペーンページ、そして2026年8月19日に配信された共同通信PRワイヤーのプレスリリースです。すでにカードをお持ちの方は、SKYコインの扱いをまとめた前回の記事のほうが当てはまる内容です。
結論:変わるのは4項目。中身はカードの種類で違う
今のうちに申し込んだほうが得なんですか?
「どちらが得か」は、その人が持つカードの種類と決済額で答えが変わります。ここで言えるのは、9月1日までと9月2日以降で「何が違うのか」までです。違いは大きく4項目ありますが、そのうちSKYコインとキャンペーンは、一般・ゴールド・プレミアムで条件がまったく別物です。
| 項目 | 2026年9月1日までの申込 | 2026年9月2日以降の申込 |
|---|---|---|
| 2026年内のプログラム | ANA SKY コイン獲得プログラムが適用。ゴールド: 対象利用300万円以上で10,000コイン/プレミアム: 500万円以上で30,000コイン/一般: 対象外 | SKYコインは対象外。代わりに利用ボーナスマイルの移行特別条件(2026年9月2日〜12月31日)が適用。ゴールド: 100万円以上で5,000マイル/プレミアム: 150万円以上で10,000マイル/一般: 対象外(一般は今回の特典改定の対象外で、券面デザインの変更のみ) |
| 新規入会キャンペーン(2026年9月2日13:00〜11月4日) | 対象外 | 一般: カード承認日から3か月以内に75万円以上/ゴールド: 同200万円以上/プレミアム: 同350万円以上 |
| 年会費(税込) | 旧年会費で入会できる(ゴールド34,100円/プレミアム165,000円)。2年目以降は新年会費。切り替え月は公式の早見表による | 新年会費が適用(一般7,700円/ゴールド42,900円/プレミアム187,000円)。請求の時期はカード会社の案内を確認 |
| 新特典の適用開始 | 特典ごとに開始時期が異なる(後述の表を参照) | 特典ごとに開始時期が異なる(後述の表を参照) |

ざっくり言えば、9月1日までは「終わるほうの特典に間に合うかもしれない」ルート、9月2日以降は「始まるほうのキャンペーンを受け取れる」ルートです。ただし前者は、一般カードには関係がありません。SKYコイン獲得プログラムの対象カードがゴールドとプレミアムだけだからです。
9月1日までに申し込む場合
2026年9月1日までにカードをお持ち・お申し込みの会員は、ANA SKY コイン獲得プログラムの対象になります。ただし、対象カードはゴールドとプレミアムのみです。アメリカン・エキスプレスのANA SKY コインボーナスのページに掲載されている対象カード一覧に、一般のANAアメリカン・エキスプレス・カードは含まれていません。これから一般カードを申し込む人にとっては、そもそも比較の対象にならない特典ということになります。
| 券種 | ANA SKY コイン獲得プログラムの条件 |
|---|---|
| 一般 | 対象外 |
| ゴールド | 対象のご利用300万円以上で10,000 ANA SKY コイン |
| プレミアム | 対象のご利用500万円以上で30,000 ANA SKY コイン |
集計の対象期間は毎年1月1日から12月31日までの1年間で、進呈は2027年3月末までとされています。「対象のご利用」はカードでのほぼすべての支払いですが、年会費、遅延損害金、分割払いやリボ払いの手数料などは含まれません。家族カードの利用分は基本カードに合算され、達成状況はアメリカン・エキスプレスの公式アプリで確認できます。
ここで気をつけたいのが、残りの期間です。プログラムは「2026年12月31日までの期間で終了」と案内されています。つまり今から申し込んで9月に入会した場合、利用額を積める期間は実質的に2026年9月から12月までの約4か月しかありません。年の途中から始めても、締め切りは12月31日で全員共通ということです。
この約4か月で条件に届くかどうか。単純に4で割ると、ゴールドの300万円なら月75万円、プレミアムの500万円なら月125万円のペースです。割り算をしただけの目安で公式が月ごとの条件を定めているわけではありませんが、事業の仕入れや固定費をまとめてカード決済に寄せている人でなければ、現実的に狙える水準ではないと思います。
もうひとつ押さえておきたいのは、9月1日までに申し込むと、9月2日から始まる新規入会キャンペーンの対象にはならないという点です。SKYコインを取りにいく代わりに、そちらは見送ることになります。
年会費については、公式ページに「旧年会費でのお申込みは2026年9月1日まで」と明記されています。ゴールドなら旧年会費34,100円(税込)で入会でき、2年目以降が42,900円(税込)。プレミアムは旧年会費165,000円(税込)で、2年目以降が187,000円(税込)です。一般カードは7,700円(税込)で改定はありません。すでに持っている人の切り替え時期は、新しい年会費が2026年11月以降の請求から順次と案内されています。ただし切り替わる月は全員同じではありません。公式ページには前回の年会費請求月に応じた早見表が掲載されていて、たとえば前回が2025年11月なら2026年11月から、前回が2026年3月なら2027年3月からというように、人によっては2027年まで旧年会費のままになります。自分の場合がいつなのかは、その早見表で確認できます。9月2日以降の新規申込に最初から新年会費が適用されるのとは、ここが違います。
そして、新しい特典が「いつから使えるのか」も、ひとまとめにはできません。特典ごとに開始時期が別々に案内されています。
| 新特典(対象はゴールド・プレミアムのみ/一般は対象外) | 9月1日までに保有・申込 | 9月2日以降に申込 |
|---|---|---|
| 羽田空港 第2ターミナル POWER LOUNGE PREMIUM | 2026年9月2日から | 2026年9月2日から |
| ダイニングキャッシュバック | 2026年10月29日から | 2026年9月2日から |
| 利用ボーナスマイル | 2027年1月1日から(2026年12月31日まではANA SKY コイン獲得プログラムが適用) | 2026年9月2日から |
特に混同しやすいのが3つ目です。新特典の利用ボーナスマイルは、2027年1月1日から始まる通常制度がゴールド年400万円以上で15,000マイル、プレミアム年600万円以上で30,000マイルという設計になっています。ただし2026年内は、これとは別に「移行特別期間」の条件が用意されています。
9月1日までに保有・申し込んでいる場合、2026年12月31日まではANA SKY コイン獲得プログラムのほうが適用され、利用ボーナスマイルのカウントが始まるのは2027年1月1日からです。一方、9月2日以降に申し込んだ場合は、2026年9月2日から12月31日までが移行特別期間となり、ゴールドは100万円(税込)以上で5,000マイル、プレミアムは150万円(税込)以上で10,000マイル、いずれも2027年3月末までに進呈と案内されています。通常制度の400万円・600万円と比べると、2026年内は条件がかなり低く設定されているということです。
「今だけ」に見える条件ほど、自分が達成できるかどうかを先に確認してください。期限に間に合っても条件に届かなければ、受け取れるものはありません。しかも今回は、カードの種類によって条件が違い、特典によって始まる日も違います。締め切りの日付ではなく、自分の券種の条件のほうから逆算して考えるのが順序です。
9月2日以降に申し込む場合
新カードの申込受付は2026年9月2日(水)13:00に始まります。この日以降に申し込む場合、ANA SKY コイン獲得プログラムは券種を問わず対象外です。その代わり、新規入会キャンペーンの対象になります。
年会費は最初から新しい金額です。一般が7,700円(据え置き)、ゴールドが42,900円、プレミアムが187,000円で、いずれも税込です。ここで注意したいのは、これは「申し込んだ瞬間に請求される」という意味ではないということです。9月2日以降の新規申込には新しい年会費が適用される、というだけで、実際の請求時期はカード会社の案内で確認してください。9月1日までに申し込んだ人の「2026年11月以降の請求から順次」とは別の話です。
新規入会キャンペーンの中身
ANAの新規入会キャンペーンページによると、期間は2026年9月2日(水)13:00から2026年11月4日(水)のお申し込み受付分までです。キャンペーン開始前、つまり9月2日13:00より前の申込は特典の対象外とされています。また、申込の時点でアメリカン・エキスプレスのページに掲載されていた入会特典が適用され、申し込んだあとで特典を変更することはできないと案内されています。
カード別の条件は次のとおりです。
| 券種 | 入会ボーナスマイル | カード承認日から3か月以内の利用条件 | 利用ボーナス |
|---|---|---|---|
| 一般 | 1,000マイル | 合計75万円以上 | 29,500マイル相当 |
| ゴールド | 2,000マイル | 合計200万円以上 | 106,000マイル相当 |
| プレミアム | 10,000マイル | 合計350万円以上 | 197,000マイル相当 |
各種メディアで見かける「一般は最大38,000マイル相当」「ゴールドは最大128,000マイル」「プレミアムは最大242,000マイル相当」という数字は、このキャンペーンの利用ボーナスに、入会ボーナスマイルと、通常の利用で貯まるポイントを合計した上限値です(年間利用で貯まる新特典の利用ボーナスマイルとは別の制度です)。たとえば一般なら75万円以上の利用で通常利用ポイントが7,500ポイント、プレミアムなら350万円以上の利用で35,000ポイントという内訳が公式ページに示されています。最大値だけを見て「申し込めばもらえる金額」と読むと、実際とはかなり離れます。入会ボーナスマイルは一般が1,000マイル、ゴールドが2,000マイル、プレミアムが10,000マイルで、いずれも年会費の支払いが条件です。また、ポイントをマイルとして使うには移行の手続きが必要で、一般カードの場合はポイント移行コース(年間参加費6,600円・税込)への登録が前提になります。
利用条件は段階式です。一般は25万円以上50万円未満で7,000マイル相当、50万円以上75万円未満で16,000マイル相当、75万円以上で29,500マイル相当。ゴールドは75万円以上150万円未満で34,000マイル相当、150万円以上200万円未満で75,000マイル相当、200万円以上で106,000マイル相当。プレミアムは150万円以上300万円未満で74,000マイル相当、300万円以上350万円未満で149,000マイル相当、350万円以上で197,000マイル相当と案内されています。満額に届かなくても途中の段階はある、という設計です。
じゃあ条件を満たせば、そのマイルは普通に使えるんですよね?
そこが今回いちばん大事なところです。利用条件の達成でもらえる利用ボーナスのうち、ボーナスマイルはマイル口座グループ3、いわゆる用途・期間限定マイルとして扱われます。積算は2027年6月末頃、有効期限は積算された月から12か月後の末日です。通常のマイルと同じつもりで数えると、使い道と期限の両方でつまずきます。なお入会ボーナスマイルはこれとは別で、年会費を指定の期日までに支払った場合に、支払月の翌々月末頃までに本会員のマイル口座へ積算されると案内されています。
条件を満たしてから手元に入るまでに時間があり、入ってからも使える期間が区切られている、ということです。ボーナスポイントのほうは利用金額の達成ごとに付与されます。なお、年会費など通常利用ポイントの加算対象外になる支払いや、200円で1ポイントの加算になる支払いもあるとされています。
一般カードで注意したいのが、貯めたポイントをANAマイルへ移行するには「ポイント移行コース」への登録が必要で、年間6,600円(税込・2年目以降自動更新)がかかるという点です。ゴールドとプレミアムは移行手数料が無料なので、一般カードだけこの費用を計算に入れる必要があります。また、カードの発行にはアメリカン・エキスプレス所定の審査があります。
券面デザインも3券種すべて刷新されます。ANAの尾翼をモチーフにしたデザインで、カード番号などの情報は裏面に集約されるとのことです。2009年の発行開始以来、初の全面刷新にあたります。

どう判断するか
判断の材料は、券種によって別々です。ひとつの数字にはまとまりません。
ゴールドを検討している場合は、2026年の残り約4か月で、プログラム対象となるカード利用額が300万円(税込)に届く見込みがあるかどうかが分かれ目です。届く見込みがあるなら9月1日までに申し込む意味が出てきますし、届かないなら急いで申し込んでもSKYコインは受け取れません。その場合に9月1日までの申込で得られるのは「新しい年会費への切り替えが先送りになる(早見表によっては2027年まで旧年会費)」という点にとどまり、代わりに新規入会キャンペーンの対象からは外れます。
プレミアムを検討している場合は、同じ約4か月で500万円です。300万円ではありません。ゴールドの話をそのまま当てはめると、条件を200万円分低く見積もることになります。
一般カードを検討している場合は、SKYコインという論点自体がありません。一般カードは今回、年会費も特典・サービスの内容も変更がなく、変わるのは券面デザインだけと案内されています。したがって比較すべきなのは「9月1日までに申し込んでキャンペーンの対象外になるか」「9月2日以降に申し込んでキャンペーンの条件に取り組むか」の2つで、そこにポイント移行コースの年6,600円をどう見るかが加わります。
そのうえで、キャンペーンの利用条件についてひとつ。この3か月はアメリカン・エキスプレスにおける基本カード会員のカード承認日から起算すると案内されています。申込日でもカードが届いた日でもない点に注意が必要です。ゴールドの「承認日から3か月以内に合計200万円」は、月あたりに直すと約67万円です。単純な割り算にすぎませんが、日常の生活費だけで届く水準ではありません。プレミアムの350万円なら月あたり約117万円で、なおさらです。まとまった支払いの予定や、事業の決済をカードに寄せられる事情がある人でなければ、最大値をそのまま自分の取り分として見込むのは無理があります。一般の75万円(月あたり約25万円)でも、条件を先に確認する順番は同じです。
そしてもうひとつ。条件に届かせるために決済そのものを増やすのは、順番が逆になります。もともと支払う予定だった固定費や事業の決済を寄せて届くのなら検討の余地がありますが、条件のために買い物を増やせば、受け取るものより先に出ていくお金のほうが大きくなります。これは前回の記事で書いた、来年の400万円ラインに対する考え方と同じです。
また、判断材料はキャンペーンだけではありません。今回の改定には条件が厳しくなる側の変更も含まれています。ANAアメックス・プレミアムに付帯する海外旅行傷害保険は2026年11月1日から自動付帯ではなく利用付帯に変わり、公共料金・国税などの支払いはポイントが0.5倍の加算、国税は年間300万円を超える支払い分がポイント加算の対象外になります。ポイントの有効期限は一般が3年、ゴールドとプレミアムは無期限です。自分の使い方に関係する項目を、あわせて見ておきたいところです。
すでにカードを持っている場合
ここまではこれから申し込む人向けの整理でした。すでにANAアメックスを持っている既存会員は、そもそもこの選択の対象外です。9月1日より前から保有しているため、ゴールドとプレミアムは条件を満たしていればSKYコインが2026年12月31日までの利用分まで対象になります。一般カードはもともと対象カードではありません。
一方で、9月2日から始まる新規入会キャンペーンの対象にはなりません。既存会員にとっての論点は「申し込むかどうか」ではなく、最後のSKYコインをいつ受け取れるのか、そして来年からの利用ボーナスマイルにどう向き合うかのほうです。そちらはANAアメックスのSKYコイン終了について整理した記事にまとめてあります。
まとめ
- ANA SKY コイン獲得プログラムの対象カードはゴールドとプレミアムのみで、一般カードは対象外。ゴールドは対象利用300万円以上で10,000コイン、プレミアムは500万円以上で30,000コイン
- 対象は2026年9月1日までにカードをお持ち・お申し込みの会員。対象期間は2026年12月31日まで、進呈は2027年3月末まで。9月に入会すると積める期間は実質約4か月で、単純に割るとゴールドは月75万円、プレミアムは月125万円ペース
- 2026年9月2日以降の申込は全券種でSKYコイン対象外。代わりに利用ボーナスマイルの移行特別条件(2026年9月2日〜12月31日/ゴールド100万円以上で5,000マイル、プレミアム150万円以上で10,000マイル、2027年3月末までに進呈)が適用される。新しい年会費(一般7,700円/ゴールド42,900円/プレミアム187,000円・いずれも税込)が適用され、請求の時期はカード会社の案内で確認する
- 新特典の適用は入会日で一括ではなく特典ごと、かつ申込区分で異なる。9月1日までの申込はPOWER LOUNGE PREMIUMが2026年9月2日から、ダイニングキャッシュバックが2026年10月29日から、利用ボーナスマイルのカウントが2027年1月1日から。9月2日以降の申込はいずれも2026年9月2日から。なおこれらの新特典はゴールドとプレミアムが対象で、一般カードは券面デザインの変更のみ(年会費・特典に変更なし)
- 新規入会キャンペーンは2026年9月2日13:00から11月4日の申込受付分まで。カード承認日から3か月以内の利用が一般75万円以上で29,500マイル相当、ゴールド200万円以上で106,000マイル相当、プレミアム350万円以上で197,000マイル相当。入会ボーナスは一般1,000マイル、ゴールド2,000マイル、プレミアム10,000マイル
- 「最大◯マイル相当」は入会ボーナス・キャンペーンの利用ボーナス・通常利用ポイントを合計した上限値(年間利用で貯まる新特典の利用ボーナスマイルとは別)。キャンペーンの利用ボーナスのうちボーナスマイルは用途・期間限定マイルで、積算は2027年6月末頃、有効期限は積算月から12か月後の末日
- 分かれ目は券種ごとに違う。ゴールドは年内300万円、プレミアムは年内500万円、一般はSKYコインではなくキャンペーンと年会費(+ポイント移行コース年6,600円)で比較する
今回の内容は、私が2026年8月21日時点の公式の案内と発表資料を読んで整理した一例です。カードの利用状況や申込のタイミングによって、当てはまる条件は変わります。私自身はすでにゴールドを保有しているため新規入会キャンペーンの対象ではなく、ここに書いたのは実際に申し込んだ体験談ではなく、公表されている条件の比較です。
カードの特典・年会費・適用条件は変更されることがあります。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。申し込みや利用方法の判断は、ご自身の状況にあわせてお願いします。